キリスト教史 一 初代教会

中山 元

1 初代教会

1.1 聖霊降臨
▼死海文書は何を可能にしたか
▼使徒言行録は何を隠してしまうか
▼使徒言行録は教会の創設について何を告げているか
▼十二使徒となるための条件は何か
▼キリストの復活は何によって証明されているか、三点をあげよ
▼ユダヤ人にとってキリストの復活を信じることは何を意味しているか
1.2 ユダヤ教諸宗派
▼大祭司たちとサドカイ派の共通点と対立点は何か
▼ファリサイ派とサドカイ派の対立点は何か
▼ヘレニストとヘブライ派の違いは何か
▼ヤコブは実際にはどのような地位を占めていたか
▼初代教会とエッセネ派のつながりはどのようなものか
1.3 キリスト教徒の共同体
▼初期のキリスト教徒はユダヤ教の儀礼とどのような結びつきを持っていたか
▼エクレーシアとはどのような意味で使われた言葉か
▼当時の教会を支えていたのはどのようなものか
▼集会では何が行われたか
▼初期の共同財産制はどのようなものだったか
▼長老会議はどのような役割を果たしたか

エルサレム以外の教会

▼ガリラヤ教会の起源はどのようなものだったか
▼キリスト教団は熱心党とどのような結びつきを持っていたか
▼熱心党は何を目指していたか
▼サマリア教会の起源はどのようなものだったか
▼シモン派の教えはどのようなものだったか
▼グノーシス派とシモンの教えはどのような関係があるか
▼バプティスト派とはどのようなものか、二つの別名をあげよ
▼ナザレの人という言葉はどのような意味で使われていたか
▼エビオン説とはどのようなものか
▼初期のキリスト教徒と異教徒との関係はどのようなものだったか
▼ダマスコスのキリスト教団はどのようなものだったか
▼パウロの思想とエッセネ派の関係は
▼アンティオキアの重要性
▼当時のローマはキリスト教徒についてどう考えていたか
▼アンティオキアの特殊性は何か
▼マタイによる福音書とアンチオキアの関係は
▼キプロスでの伝道について
▼バルナバの特別な地位について
▼パウロの主張とバルナバとの決別について
▼パウロとバルナバの宣教
▼パウロ神学の誕

3 ユダヤ・キリスト教の危機

▼40年から70年の時期における二つの重要な出来事
▼ユダヤ・キリスト教からパウロ的なキリスト教へ
▼割礼の義務化の要求
▼それを促したユダヤ教の政治情勢
▼異邦人のキリスト教徒をめぐる論争と、その結論
▼異邦人のキリスト教徒には何が求められたか
▼エルサレムの使徒会議の重要性 
▼当時の境界の三つのヒエラルキー
▼異邦人のキリスト教徒の問題についてのパウロとペトロの考え方の違い
▼エルサレムの使徒会議の後のパウロの姿勢
▼パウロが遭遇した障害は何によるものだったか
▼アポロはキリストを誰であると主張したか
▼パウロが小アジアで目指していたのは何か
▼ガラテアにおける奴隷の状態とは何か
▼熱心党の二つの主張をあげよ
▼ユダヤ教の「作り話」とは何か
▼エフェソスの現状にかかわる「テモテの手紙 一」の二つの趣旨は何か
▼プセウドニュモスとは
▼エンクラト説とは
▼エピスコポスの役割は何か
▼「テモテの手紙 二」でパウロを悩ませていた状況は
▼ペトロは誰に密告されたか
▼キリスト教徒への敵意の高まりの原因は

4 エフェソス、エデッサ、ローマ

4.1 小アジアのキリスト教
▼使徒による伝道地域の分担
▼新約聖書外典の四つの系列
▼小アジアにおけるフィリポの管轄地域
▼小アジアの特徴
▼ヨハネの伝道
▼エフェソスの独自の状況
▼「シビュラの託宣」
▼「ヨハネの黙示録」
▼「イグナティオスの手紙」
4.2 パレスチナ人の選挙
▼エルサレム教会の長老たち
▼エジプトの教会の起源
▼エジプトの二つの福音書
4.3 ペトロの宣教活動
▼ペトロの担当地域
▼アンティオキアの特殊事情
▼「イグナティオスの手紙」
▼ローマにおけるキリスト教
▼ヘルマス
▼「クレメンスの手紙」

5 グノーシス説の起源

▼グノーシスとグノーシス説の違い
▼グノーシス説とイラン的な二元論の違い
▼グノーシスの父とは
▼グノーシス説の誕生までの三つの段階
▼グノーシス説の出現時期
5.1 エビオン派
▼ユダヤ・キリスト教的な二つの異端
▼エビオン派の特徴
5.2 エルカサイ派
▼エルカサイ派のユダヤ教的な特徴
▼キリストの位置づけ
▼エルカサイ説とは
5.3 ニコライ派
▼ニコライ派の特徴
5.4 ケリントス派
▼ユダヤ・キリスト教的な特徴
▼二つの主要なモチーフ
▼明確なグノーシス的な特徴
5.5 シモン派
▼シモン派の運動の発展
▼シモンとヘレネの結びつき
▼シモン派の教団の設立時期
5.6 メナンドロス
▼メナンドロスの果たした役割
▼魔術師的な傾向
▼メナンドロスとメシア的な信仰
5.7 サトルニトス
▼メナンドロスの後継者
▼その教え
▼人間の分類
▼イスラエルの神への反逆
5.8 バルベロ・グノーシス派
▼「ヨハネのアポクリュフォン」
▼初めての原始グノーシスの原点
5.9 セト派
▼その教説の特徴
▼典型的なユダヤキリスト教的グノーシス説
5.10 カルポクラテス
▼その教えの特徴
5.11 バシレイデス
▼シモン派の教えの集大成
▼天使論
5.12 概論
▼グノーシスの基本的な観念
▼70年以降の発展
▼黙示録との結びつき
▼運動の発展過程
▼アジア系のグノーシスの特徴
▼アンチオキア系のグノーシスの特徴

6 ユダヤキリスト教の慣習と表象

6.1 キリスト教入信の儀式
▼入信のための二つの段階
▼異教徒の場合とユダヤ人の場合の教説についての教育の違い
▼教育に利用した書物
▼二つの道の教え
▼洗礼の儀式
▼断食の持つ意味
▼按手の儀式
▼洗礼の方法と意味
▼水と魚の象徴
▼洗礼の付属的な儀式
▼十字の印の意味
▼白衣の着用
▼冠をかぶる習わし
▼洗礼の水を飲む儀式
▼説教と食事
6.2 典礼暦
▼主の日の集まり
▼日曜日の呼び方
▼水曜日と金曜日
▼安息日
▼祝祭日に関する論争
6.3 教義
▼旧約聖書の伝統
▼ユダヤ教の著作の受け継ぎ
▼ユダヤ教的黙示録思想の受容
▼黙示録的な精神
▼グノーシス的な傾向
▼天使論の影響
▼十字架の象徴性
▼地獄への下降
▼終末論的な要素

7 教会とローマ帝国

7.1 最初の迫害
▼ネロによる迫害
▼クレストスという呼び名
▼キリスト教徒を非難する理由
▼その第一段階 ロバ、殺人、近親相姦
▼ドミティアヌスによる迫害
▼「ヨハネの黙示録」と迫害
▼ローマ側の態度の硬化
▼キリスト教徒の態度の硬化
7.2 アントニヌス朝時代の教会
▼小プリニウスの手紙
▼この手紙の示していること
▼キリスト教徒という名による告訴理由
▼強情という理由
▼キリスト教徒が置かれていた状況
▼キリスト教徒の処刑の増加理由
▼ハドリアヌス帝の治世
▼当時のキリスト教徒のイメージ
▼フロントによる三つの非難
▼ユスティノスのグノーシス批判との共通性
▼ルキアノスの証言
▼ケルソスによる非難
▼異教徒の祝祭と殉教の結びつき
7.3 護教論
▼護教論の発想の基本
▼第一の護教論
▼第二の護教論、アリステイデス
▼ユスティノスによる護教論
▼その二つの主要な論点
▼宗教性の論点
▼道徳性の論点
▼メリトンの護教論
▼アポリナリスによる護教論
▼テオフィロスの反論
▼タティアノスによる駁論
▼護教論の目的
▼護教論の二つの側面
▼護教論のロゴス
▼護教論の新たな要求
7.4 修辞学と哲学
▼キリスト教的ヘレニズム
▼修辞学の世紀
▼哲学的な伝統
▼ユスティノスの文体
▼キリスト教知識人の登場

8 異端と正統信仰

8.1 マルキオン
▼マルキオンの教えの最大の特徴
▼ケルドンの影響
8.2 ヴァレンティノス
▼その教えの要
▼実存的な出発点
8.3 モンタヌス
▼宗教活動の時期
▼第一の特徴、個人的な掲示
▼その内容
▼第二の特徴、禁欲
▼第三の特徴、殉教への渇望
8.4 タティアノス
▼三つの解釈
▼禁欲の教え
▼パウロ思想の拒絶
8.5 復活祭の問題
▼十四日派
▼第十四月齢日
▼教会の分裂
8.6 二世紀末のローマ教会諸派
▼キリスト人間説
▼一位神論
▼養子説
▼ローマの重要性
8.7 司教
▼司教の権威の強化
▼ナルキッソス
▼テオフィロス
▼メリトン
▼ディオニュシオス
8.8 エイレナイオス
▼その特徴
▼「異端反駁」
▼三つの教会の継承
▼教会創立論
▼作品の源泉
▼司教たちの教えの一貫性
▼グノーシス派の分裂性
▼キリストにおける再統合という考え方

9 キリスト教の教会生活

9.1 キリスト教徒のさまざまな範疇
▼ヘルマスの牧者に示された様々なキリスト教徒
▼聖職者と一般信徒
▼教会生活に全面的に参加している人々と、一面的に関わる人
▼禁欲者と夫婦
▼殉教者
▼司教の使命
▼未亡人たち
▼未亡人と呼ばれる処女
▼霊的なカリスマ
▼預言者と偽預言者
▼さまざまなグループの罪人たち
▼改悛の条件
▼許されない罪
▼メタノイア
9.2 童貞生活とエンクラト説
▼童貞重視の傾向
▼エンクラト的な性格
▼新約聖書における論拠
▼童貞生活の称賛
▼童貞生活と教会内の位階制の関係
▼洗礼の冠
▼苦行者と処女の共同生活
▼キリスト教徒の夫婦への貞潔の勧め
▼エッセネ派と禁欲主義
▼人間の悪しき原理としての性欲
▼クレメンスによる結婚の擁護
9.3 殉教者
▼「ヨハネの黙示録」における殉教の位置づけ
▼殉教者礼拝の起源
▼殉教とサタンとの戦い
▼ペルペトゥアの戦い
▼殉教に伴う神秘的な現象
▼殉教のもつ救いの力

10 アレクサンドレイア

▼アレクサンドレイアの特殊性
▼境界の歴史におけるアレクサンドレイアの地位
▼キリスト教的な生活の側面
▼文化の側面
▼キリスト教的ヘレニズム
▼アレクサンドレイアのクレメンス
10.1 ギリシャの遺産
▼アレクサンドレイアの思想の大きな特徴
▼フィロンの独自性
▼クレメンスの手法
▼クレメンスへのフィロンの影響
▼クレメンスによる哲学の利用
▼クレメンスの「ストロマテイス」
▼神学の方法の基礎の確立
▼クレメンスによるグノーシスの定義
▼哲学的グノーシスと黙示的グノーシス
10.2 比喩の世界
▼哲学と啓示の関係
▼クレメンスの哲学者批判
▼先行者たち
▼衰退の歴史
▼聖書とギリシャの詩人たちの並行関係
▼民族固有の知恵の形態
▼その現れの違い
▼ユダヤ教からの離脱
▼真の哲学としてのキリスト教
▼ヘレニズムの影響を受けたキリスト教
10.3 グノーシス説とヘレニズム
▼キリスト教のギリシャ文化への移行
▼哲学体系になったグノーシス
▼古代の主要な宗教とギリシャ文化との出会い
▼グノーシスと中期プラトン主義
▼グノーシスによるホメロスの利用
▼哲学に似た新しい異端の登場
▼新しいタイプのキリスト教徒の登場

11 セウェルス朝時代の西方世界

11.1 セウェルス勅令
▼セレベスの知性はどのような時代だったか
▼モンタヌス派の主な宣教者たち
▼「ペトロ行伝」の主題
▼その他の行伝の特徴
▼殉教録の出現
▼「ペルペトゥアとフェリキタスの殉教」
▼殉教礼賛の背景にあるもの
▼オリゲネスと終末論
▼終末論的なキリスト教の表現
▼司教たちのキリスト教
▼ローマ帝国におけるキリスト教の位置
▼202年のセウェルス勅令
▼その意味
▼セウェルス帝が迫害しなかったキリスト教徒たち
▼勅令によって特に迫害されたキリスト教徒
11.2 ヒッポリュトスとカリストゥス
▼モンタヌス派の特徴
▼ヒッポリュトスの生涯
▼「全異端反駁」における攻撃対象
▼ヒッポリュトスの教えの傾向
▼ローマ教会の二つの傾向
▼教皇カリストゥス一世
▼ヒッポリュトスとカリストゥスの対立点
▼ラテン語の役割の増大
11.3 アフリカにおけるキリスト教の誕生
▼カルタゴにおけるキリスト教
▼テルトゥリアヌスの証言
▼テルトゥリアヌスの最大の論敵
▼テルトゥリアヌスの果たした役割
▼テルトゥリアヌス以前のアフリカのキリスト教の特徴
▼テルトゥリアヌスがラテン世界の教会にもたらしたもの
▼テルトゥリアヌスの生涯
▼テルトゥリアヌスの参加した論争
▼モンタヌス派に対する共感
▼改悛についての理論
▼テルトゥリアヌスにおけるラテン世界の特徴
▼テルトゥリアヌスにおける法律家としての特徴
▼テルトゥリアヌスにおける哲学者としての特徴

12 三世紀のキリスト教社会

12.1 組織化の進展
▼三世紀のキリスト教の特徴
▼教会制度の発展の主な特徴
▼洗礼志願期間の重要性
▼オリゲネスの説明
▼ヒッポリュトスの詳しい記述
▼洗礼志願者というカテゴリーの登場
▼洗礼の授け方
▼教会との和解
▼改悛の進め方
▼教会との和解の条件をめぐる論争
▼改悛を繰り返すことができるか
▼聖職者のヒエラルキー
▼証聖者とは
▼女性の聖職者の職制
▼教会における集会
▼アガペー
▼教会の組織にまつわる様々な問題とオリゲネスの証言
12.2 キリスト教芸術の起源
▼教会専用の建物と墓地
▼教会堂の遺跡
▼集会所としての墓地
▼地下墳墓
▼礼拝のための建物における装飾的な要素
▼キリスト教特有のシンボルとモチーフ
▼類型論
▼ダニエルの主題
▼三人の若者の主題
▼老人たちから解放されるスザンナの主題
▼聖体の表現
12.3 キリスト教徒と異教社会
▼キリスト教的な風習の創造
▼贅沢の戒めと簡素のすすめ
▼見世物やスポーツの批判
▼結婚に対する考え方
▼教育と偶像崇拝
▼経済生活において生まれる問題
▼職業生活と偶像崇拝の結びつき
▼反道徳的な職業
▼市民として果たすべき務め
▼キリスト教と兵役

ジャン・ダニエルー『キリスト教 一 初代教会』平凡社に依拠。