西洋法制史 第一部 古代

中山 元

西洋法制史 第一部 古代

1 ローマ市民法の世界

1.1 ローマの遺産
▼ローマの三つの遺産をあげよ
▼ローマ法とは何か
1.2 ローマの建国神話
▼ローマの建国神話はどのようなものか
▼ロムルスとレムスの神話について説明せよ
▼ローマ人の心性はローマ法とどのように関連したか
1.3 国制の展開−王政から共和政へ
▼ローマの王政の特徴をあげよ
▼この時代の身分闘争はどのようなものか
▼十二表法の制定の意義について述べよ
▼十二表法はどのような効果を持ったか
▼共和制の成立過程を述べよ
▼ローマの民会にはどのようなものがあったか
▼ケントゥリア会の役割は何か
▼その役割は何か
▼トリブス会の役割は何か
▼支配階層の再編の意味を説明せよ
▼政務官の機能は何か
▼政務官にはどのような種類のものがあるか
▼財務官は何をするか
▼按察官は何をするか
▼法務官は何をするか
▼法務官は何をするか
▼二種類の法務官をあげよ
▼戸口総監は何をするか
▼執政官は何をするか
▼同僚制とは何か
▼独裁官は何をするか
▼元老院はどのような役割をはたすか
1.4 ローマ市民法の特質
▼ローマの家の特徴は何か
▼家父長権の強さは
▼家父長の生殺与奪の権について
▼ローマでの法と道徳の峻別
▼三回売却規定とは
▼ローマの民事訴訟の構造はどのようなものか
▼民事訴訟での法務官の役割は何か
▼民事訴訟での審判人の役割は何か
▼審判人はどのように選ばれるか
▼万民法はなぜ必要とされたか
▼ローマの法律訴訟にはどのような欠陥があったか
▼厳格法とは何か
▼外国人係法務官はどのようにして訴訟を担当したか
▼方式書訴訟とはどのようなものか
▼衡平法はどのようにして発達したか
▼名誉法とは何か
▼市民法はどのようにして再生したか
▼握取行為とは何か
▼法務官法上の所有権とは、どのようにして認められた所有権か
▼問答契約とはどのようなものか

2 古典期ローマ法曹と法学

2.1 国制の展開 共和制から帝政へ
▼市民であることと兵士であることはどのような関係にあるか
▼市民軍にはどのような矛盾があったか
▼どのような事情で官職と命令権は分離したか、それはどのような帰結をもたらいしたか
▼職業軍人が誕生したのはどのような背景からか
▼それはどのような帰結をもたらしたか
▼パトロヌスとクリエンテスの関係について述べよ
▼軍隊の私兵化の状況と帰結について述べよ
▼三頭政治について述べよ
▼オクタビアヌスの功績は何か
▼元首制の成立状況について述べよ
▼元首政の特徴はどのようなものか
▼ローマの国制史における三つの時代を述べよ
2.2 古典期ローマの法学者たち
▼古典期法学の全盛期はいつか
▼古典期ローマ法学の特徴を述べよ
▼古典期以前の古代ローマ法学を樹立したのは誰か
▼この時期の法学の特徴をあげよ
▼アウグストゥスは法学においてどのような制度を導入したか
▼サビヌス派の特徴は何か、その代表者は誰か
▼プロクルス派の特徴は何か、その代表者は誰か
▼加害者委託の実例について説明せよ
▼具体例で二つの学派の対立について述べよ
▼この二つの学派にはどのような共通点があったか、その背景は何であったか
▼法の精通者は法学者とはどう異なるか
▼古典期における代表的な法学者をあげよ
▼永久告示録は誰が、どのような理由で作成したか、またどのような帰結をもたらしたか
▼ユラアヌスについて説明せよ
▼ガイウスについて説明せよ、その主要な著作をあげよ
▼ガイウスの人気はどのようなものだったか
▼ガイウス『法学提要」の体系の特徴をあげよ
▼後期古典期の主要な法学者をあげよ
▼パピアヌスの名声について説明せよ
▼ウルピアヌスとは誰か、どのような業績をあげたか
▼後期古典期以後の法律状況はどのようなものだったか
▼ローマ法の古典期はいついつ終わったか
▼専主制の成立時期における法学の動向について述べよ
▼職権審理手続きとは何か
▼この手続きの導入がどのような結果をもたらしたか
▼法学はどのようにして衰微したか
▼引用法の典拠として承認された五名の法学者の名前を述べよ
▼引用法における学説の依拠の順序を述べよ

3 古代ゲルマンの法と社会

3.1 古代ゲルマンの国政
▼ローマのゲルマニア支配の状況について説明せよ
▼二つのゲルマニアの成立状況は
▼古典的な学説ではゲルマン古代の社会についてどのように考えていたか
▼この学説の三つの基本的な認識を述べよ
▼この学説にはどのような欠陥があったか
▼一般自由人説はとごまで正しいか
▼基本的な学説では古代ゲルマン社会における法的な基本単位は何であると考えたか
▼貴族支配制説について述べよ
▼タキトゥスは民会についてどのように述べていたか
▼民会で決定すべき大事件にはどのようなものがあったか
▼民会を指導したのはどのような人々か
▼古代ゲルマニアにおける自由はどのようなものだったか
3.2 家と家族の法
▼ジッペとは
▼家の平和について述べよ
▼家父長はどのような権利を持っていたか、それに所属するのは誰か
▼ゲヴェーレとは何か
▼その不可欠の要素は
▼親族的所有
▼土地の親族所有について述べよ
3.3 違法行為
▼フェーデとアハト事件の区別について述べよ
▼フェーデ事件の内容は
▼復讐とフェーデの違いは
▼現行犯逮捕のための叫喚の役割
▼緊急裁判における宣誓補助者の役割
▼現行犯で逮捕された復讐では殺害が許されたか
▼どのようなものがアハト事件とみなされたか
▼平和喪失とは
▼平和喪失の役割
▼平和喪失の帰結
▼死刑はどのようにして宣告され執行されたか

課題

■課題一 文献(1)と文献(2)でローマ法の概要を確認せよ。文献(5)も参照せよ。また文献(3)でローマ法の基本的な構造を調べよ。文献(11)の第四四章で、ギボンのローマ法の基本的な説明を確認せよ(第一章)
■課題二 文献(4)でローマの国家原理について考察せよ(第一章)。
■課題三 文献(9)と文献(10)からガイウスの『法学提要』について説明せよ(第二章)。
■課題四 文献(13)と文献(14)から古代のゲルマニアの自由について調べよ。また文献(15)と文献(16)で古代ゲルマニアの法的な状況について考察せよ(第三章)。
■課題五 初期中世の法の状況について、文献(17)、文献(18)、文献(19)、文献(20)、文献(21)を参照して調べよ(第三章)。

-----------------------文献リスト-------------------------

文献(1)柴田光蔵『ローマ法概説』(玄文社、1978年)
文献(2)P・スタイン『ローマ法とヨーロッパ』(ミネルヴァ書房、2003年)
文献(3)F・シュルツ『ローマ法の原理』(中央大学出版部、2003年)
文献(4)E・マイヤー『ローマの国家と国家思想』(岩波書店、1978年)
文献(5)柴田光蔵『ローマ法フォーラム』(玄文社、1988年)
文献(6)J・ブライケン『ローマの共和制』(山川出版社、1984年)
文献(7)原田俊彦『ローマ共和政初期立法史論』(敬文堂、2002年)
文献(8)船田享二『ローマ法 第一巻』(岩波書店、1968年)
文献(9)町田実秀『ローマ法史概説、一、二』(有信堂、1968, 1969年)
文献(10)『ガーイウス 法学提要 新版』(有斐閣、1967年)
文献(11)ギボン『ローマ帝国衰亡史 第6巻』(ちくま学芸文庫、1996年)
文献(12)O・ベーレンツ『歴史の中の民法』(日本評論社、2001年)
文献(13)タキトゥス『ゲルマニア』(岩波文庫、1979年)
文献(14)カエサル『ガリア戦記』(講談社学術文庫、1994年)
文献(15)H・ダンネンバウアー『古ゲルマンの社会状態』(創文社、1969年)
文献(16)K・クレッシェル『ゲルマン法の虚像と実像』(創文社、1989年)
文献(17)『阿部謹也著作集 第二巻』(筑摩書房、1999年)
文献(18)熊野聡『北欧初期社会の研究 ゲルマン的共同体と国家』(未来社、1986年)
文献(19)伏島正義『スウェーデン中世社会の研究』(刀水書房、1998年)
文献(20)久保編『中世の自由と国家』(創文社、三冊、1963〜69年)
文献(21)H・ミッタイス『ドイツ法制史概説』(創文社、1971年)

『概説 西洋法制史』ミネルヴァ書房に依拠。