■課題一 カルヴァンの思想
文献(1)によって、カルヴァンの生涯と思想の概要を確認し、主要な問題点を提示せよ。また文献(2)によって、カルヴァンの『キリスト教梗要』の思想の概要を把握せよ。さらに文献(3)によって、宗教改革の全体の動向におけるカルヴィニズムの役割を示せ。
また論文(1)と(2)、ならびに論文(3)を読んで、カルヴァンの政治思想と宗教思想の結びつきを考えよ。
■課題二 フランスの宗教改革と宗教戦争の歴史
文献(4)によって、フランスの宗教改革の状況について考察せよ。文献(5)によってフランスの宗教戦争の状況を概括せよ。とくに聖バルテルミの虐殺の状況と背景について、文献(6)で説明せよ。
なお文献(7)を読んで、ユグノーの反乱の背景と当事者の思想と信条について調べよ。
さらに文献(8)によって、ユグノーの叛乱の歴史的な状況を考察せよ。
■課題三 フランス・ルネサンスの諸相
文献(9)と文献(10)によって、フランス・ルネサンスの主要な登場人物について述べよ。とくにラブレーについて、文献(11)と文献(12)でその特色を示せ。
また文献(23)によって、ルネサンス王政と都市の関係を考察せよ。
■課題四 フランス・ユマニスムの動向
文献(13)によって、フランスのユマニスムを他の地域のユマニスムと比較せよ。
■課題五 フランスの政治思想の歴史
文献(14)と文献(15)によって、ジャン・ボダンの思想とその背景を考察せよ。文献(16)によってフランスのガリカニスムの登場の背景、主要な理論家、理論の内容について述べよ。また論文(4)を読んで、近世フランスにおける王の地位について考察せよ。さらに論文(5)を読んでボダンの国家論と魔女論を調べよ。
■課題六 王権とイデオロギー
文献(17)と文献(18)によって、当時の王権の象徴とイデオロギーについて考察せよ。
■課題七 民衆文化
文献(19)によって、当時の民衆文化の概要を一覧せよ。文献(20)によって、リヨンを実例としながら、当時の民衆の読書や娯楽について考察せよ。また文献(21)によって、民衆のシャルヴァリについて述べよ。さらに文献(22)によって、民衆の祝祭について考察せよ。
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文献リスト
○文献(1) 久米あつみ『カルヴァン』(人類の知的遺産28、講談社、1980年)
○文献(2) 田上雅徳『初期カルヴァンの政治思想』(新教出版社、1999年)
○文献(3) R・ストフェール『宗教改革』(文庫クセジュ、白水社、1970年)
○文献(4) N・Z・デーヴィス『愚者の王国 異端の都市』(平凡社、1987年)
○文献(5) J・リヴェ『宗教戦争』(文庫クセジュ、白水社、1968年)
○文献(6) Ph・エルランジェ『聖バルテルミーの大虐殺』(白水社、1985年)
○文献(7) カヴァリエ『フランス・プロテスタントの反乱』(岩波文庫、2002年)
○文献(8) S・ムール『危機のユグノー 一七世紀フランスのプロテスタント』(教文館、1990年)
○文献(9) L・ルフェーブル『フランス・ルネサンスの文明』(創文社、1981年)
○文献(10) 渡辺一夫『フランス・ルネサンスの人々』(岩波文庫、1992年)
○文献(11) M・ラザール『ラブレーとルネサンス』(文庫クセジュ、白水社、1981年)
○文献(12) M・バフチン『フランソワ・ラブレーの作品と中世ルネサンスの民衆文化』(せりか書房、1973年)
○文献(13) 渡辺一夫『フランス・ユマニスムの成立』(岩波書店、1976年)
○文献(14) 清水尊大『ジャン・ホダンと危機の時代のフランス』(木鐸社、1990年)
○文献(15) 佐々木毅『主権・抵抗権・寛容』(岩波書店、1972年)
○文献(16) A・J・マルティモール『ガリカニスム フランスにおける国家と教会』(文庫クセジュ、白水社、1987年)
○文献(17) F・イエイツ『星の処女神とガリアのヘラクレス』(東海大学出版会、1983年)
○文献(18) R・ストロング『ルネサンスの祝祭 王権と芸術』(平凡社、上下巻、1987年)
○文献(19) R・ミュシャンブレッド『近代人の誕生 フランス民衆社会と習俗の文明化』(筑摩書房、1992年)
○文献(20) 宮下志郎『本の都市リヨン』(晶文社、1989年)
○文献(21) 二宮ほか編『魔女とシャルヴァリ』(新評論、1992年)
○文献(22) Y−M・ベルセ『祭りと叛乱 一六〜一八世紀の民衆意識』(新評論、1990年)
○文献(23) 小山啓子『フランス・ルネサンス王政と都市社会―リヨンを中心として』(九州大学出版会、2006年)
○論文(1) 柿沼博子「カルヴァン政治思想における自由論の意羲(一)」(法学会雑誌 49(2), 311-356, 2009-01-29)
○論文(2) 柿沼博子「カルヴァン政治思想における自由論の意羲(二)」(法学会雑誌 50(1), 235-281, 2009-08-28)
○論文(3) 田上雅徳「カルヴァンの「契約」論、その政治思想的含意」(法学研究 76(12), 81-110, 2003-12)
○論文(4) 矢吹 久「Rex christianissimus : 十四・五世紀フランスにおける国王信仰とその政治思想史的意義」(法學研究 71(9), 75-106, 1998-09-28)
○論文(5) 菊池恵梨香「ジャン ・ ボダンにおける家と国家」(『中世思想研究』第49号、2007年)
世界歴史体系『フランス史』(山川出版社)に依拠